車を購入する方法は、現金一括とオートローンのどちらが適しているのか⁉︎
この議論はホリエモンこと堀江貴文さんも言及するほど、様々言われています。
しかし、すべての人に最適な方法はこれ!といった答えはありません。
その人の保有資産はもちろん、生活環境や性格などに合わせて、それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解し購入方法を選択する事が必要です。
この記事では、車の購入方法についてそれぞれのメリット、デメリットを説明し、また賢く車を購入するおすすめの方法も紹介します。
車を手にいれる方法はいろいろある
車を手に入れる(購入する)方法は様々あります。
- 現金一括
- オートローン
- 残価設定ローン
- サブスク(リース)
- カーシェア
最近ではサブスクやカーシェアなども一般化してきており、車の持ち方も多様化しています。
これだけ多くの方法がありますが、実際どの方法で購入するのが良いのか、悩む人は多いのではないでしょうか?
それぞれのメリット、デメリットをしっかり認識し、自分に合った方法を選びましょう。
○:おすすめ △:まあまあ | 現金一括 | オートローン | 残価設定ローン | サブスク (kintoなど) | カーシェア (Times等) |
貯金は銀行派 | ○ | ||||
株など投資をする人 | ○ | △ | △ | △ | |
1台を長く乗る人 | ○ | ○ | |||
メンテナンスなど手間を少なくしたい人 | ○ | ○ | |||
将来が読めない (転勤、家族の変更など) | △ | ○ | |||
人気車種を購入する人 | ○ | ||||
短い頻度で新しい車に変えたい人 | ○ | △ | △ |
現金一括のメリット・デメリット
現金一括での購入は金利手数料がかからないため、トータルで一番コストをかけずに購入することができます。またローンの申し込み、審査なども不要なためとてもシンプルに車を購入することができる方法です。
現金一括のメリット
- 利息不要: オートローンのような利息負担が発生しないため、トータル価格を抑えられる。
- 所有権の確立: 車の所有権が即座に確立され、追加の手続きや契約が不要です。
- 交渉力の向上: ディーラーにとって一括支払いは魅力的なため、価格交渉の余地が広がることがあります。
現金一括のデメリット
- 資金の一括出費: 車の価格分の大きな現金が必要です。予算に合わせた用意が必要です。
- 他の投資機会の損失: 一括で支払うことで他の投資機会を逃す可能性があります。
銀行口座に購入に必要な金額以上が貯まっており、購入時の手間を最小限に抑えたい人
お金がある人にとってはシンプルで一番王道な購入方法です。お金は貯金派の人であれば現金購入が一番性格やライフスタイルに合っていると言えるでしょう。
オートローンのメリット・デメリット
現金購入の次にオーソドックスな購入方法がオートローンを使った購入方法です。車に必要な現金が今なかったとしても、毎月の支払いができる収入があれば、ローンで欲しい車を購入できます。
ただし、お金を借りるため当然利息が発生します。その分トータルでの支払い金額は現金一括よりも多くなるため、増える金額もしっかり把握し、納得してローンを選択することが重要です。
オートローンのメリット
- 分割払いの柔軟性: 購入価格を分割して支払えるため、一括支払いの負担を軽減できます。
- キャッシュフローの確保: 一括購入に比べて資金を長期間にわたって確保できます。
- 他の投資機会の活用: 資金を分割で支払うことで、他の投資に回す余裕ができます。
オートローンのデメリット
- 利息の支払い: ローン金額に対して利息が発生し、総支払額が増加します。
- 所有権の制約: ローンの支払い完了まで所有権が完全には移らないことがあります。(特にディーラーローンの場合)
- 長期間の拘束: ローン契約の期間中は支払いが必要であり、突然の支出に対する準備が必要です。
今後ライフイベント等により大きな出費の可能性がある人や、投資をしている人
車の現金一括購入はバカ!?ローン購入の場合、投資もしないといけないのか?
ホリエモンこと堀江貴文さんいわく、車の現金一括購入はありえない選択で、車はローンで購入し、ローンの支払いと並行して投資を行いローン金利以上の儲けを得るべきだと言っていますが、その話を鵜呑みに、投資経験がない人がその通りに資産運用をはじめるのはリスクが高いです。投資はリスク資産です。場合によっては元のお金より減ることもあります。最近話題の米国や全世界のインデックス投資信託でも、長期的に見れば上昇傾向ではありますが、タイミングによっては元金を下回ることもありますし、今後も安定した上昇傾向が一生続く確証はありません。
S&P500
(米国株式市場全体に対し約80%の時価総額比率を占めており、米国市場全体の動きを概ね反映している)

投資金額の浮き沈みも冷静にやり過ごせる精神力も必要になるため、そのストレスに耐えられない方は金利負担分増える金額も理解した上で、シンプルにローンで購入することも必要です。
投資をするかどうかは、しっかり勉強して理解、知識を得た後に始めるようにしてください。知識さえつける事ができれば、投資を行う事で金利以上の儲けを出すことは十分に可能です。
オートローンは車のディーラーで契約するタイプと、銀行から借りるタイプの2つがメインになります。ディーラーで契約できるローンは、金利が銀行ローンと比べ2倍程度高い事が多いため、まずは銀行のオートローンを申し込んでみることをおすすめします。
もしすでに住宅ローンを銀行から借りていれば、支払い実績ができているため、収入の許容範囲の金額であれば比較的に審査が通る事は多いです。
残価設定ローン(残クレ)のメリット・デメリット
残価設定ローンは比較的最近になって利用する人が増えてきています。残価設定ローンは毎月の支払いを低くする代わりに、3年後(5年後)に車の買い替えや残価の支払いが必要になります。

残価設定ローンのメリット
- 低い月々の支払い: 残価設定ローンでは、車の3年後(5年後)の残価を設定し、残り部分のみをローン期間中に支払うことで毎月の支払い金額を抑えることができます。
- 新しい車へのアクセス: 低い月々の支払い額で新車に乗ることができるため、新しい車に乗りたい人、比較的高頻度で新しい車に乗り換えたい人に適しています。
- 将来の柔軟性: ローン期間終了時に、車の残存価格(残価)を支払い、車を購入するか、返却するか選択できます。もし車の価値が予想以上に高ければ、そのまま所有することでキャピタルゲインを得ることも可能です。
残価設定ローンのデメリット
- 残価のリスク: ローン期間終了時に残価を支払う必要がありますが、車の市場価値が予想よりも低かった場合、差額を一度に支払う必要が出てきます。
- 所有権の制約: ローン期間中は車の所有権が完全には移らず、残価支払いが完了するまでディーラーの所有となることがあります。
- 制約された走行距離: ディーラーとの契約によっては、契約期間中の走行距離に制約があることがあります。超過分に対して追加費用が発生することも。
残価設定ローンの考慮すべきポイント
- 車の評価: 車の将来的な市場価値を予測し、残価支払いに備えることが重要です。
- 契約内容: 契約条件や制約事項を詳細に理解し、条件を守ることが大切です。
- 追加費用: 走行距離超過や車の状態に関する追加費用があるか確認しましょう。
- ローン金利:残価設定ローンは残価を除いた金額のみ毎月支払いますが、金利のかかる対象は車の価格全体にかかるため、金利分が重くなります。(200万の車を残価設定して100万だけ毎月支払う場合でも、金利は200万を対象に計算される)
残価設定ローンは、低い月々の支払いと新車のアクセスを提供する反面、将来の残価が想定を下回るリスクや所有権の制約を考慮する必要があります。購入する車の価値や個人の経済状況に合わせて、残価設定ローンを検討するかどうか判断しましょう。最終的な決定は、将来の予測とリスク管理を含めた総合的な検討が求められます。
ローンで購入したいけど、月々の支払いは減らしたい人
購入予定の車がリセールバリューも高い人気車種(アルファードなど)で高額な車を購入したい人
車のサブスクのメリット・デメリット
トヨタのKINTOを代表に、車をサブスクで手にいれる方法も誕生しました。サブスクなので、毎月の月額料金を支払続ければ、車を利用することができるサービスで、契約タイプによって、車を好きなタイミングで入れ替えることも可能です。

サブスクのメリット
- 柔軟な車の利用: サブスクリプションは、短期間から長期間まで、自分に合った期間で車を利用できるため、必要な期間だけ車を使いたい人に適しています。
- 維持費の一括管理: サブスクリプションに含まれる維持費(保険料やメンテナンスなど)が一つにまとまっているため、支払いが簡単で予測しやすくなります。
- 新しい車の試乗: サブスクリプションを通じてさまざまな車種を試乗することができ、自分に合った車を見つけやすくなります。
サブスクのデメリット
- 総支払額の増加: サブスクリプションは利便性を提供しますが、長期間利用すると所有に比べて総支払額が高くなる場合があります。
- 所有感の欠如: サブスクリプションでは車を所有するわけではないため、所有感や愛着を持ちにくいかもしれません。
- 制約事項: サブスクリプション契約には利用条件や制約があり、違反すると追加費用が発生することがあります。
- 車の車種が限定: サブスクリプション契約はトヨタや日産など1社と契約するサービスの場合、そのメーカーのサブスク提供される車しか選択ができません。
車の詳しいことはわからず、メンテナンス等も気にしたくない人
新しい車をどんどん乗り換えたい人
車がいらなくなる可能性がある人
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カーシェアのメリット・デメリット
シェアリングエコノミーという言葉もつくられ、車をシェアするサービスも登場しています。カーシェアといっても大きくは2つのサービス形態があります。
- 複数人で1台を所有し使い回す
- 特定の所有者の車を時間で他人に貸す(Anyca(エニカ)等)
※Anycaは2024年12月にサービス終了 - 特定企業(Times等)が所有し、駐車場等に置かれる車を使う

カーシェアのメリット
- コスト削減: 車を所有するよりもカーシェアを利用するほうが、燃料費、保険、メンテナンスなどの維持費が削減できます。
- 資産の有効活用(貸し手): 車を所有していても使わない日が多い方は、車を貸し出すことで、所有する資産を有効活用し収益を得る事ができます。
- 都市生活の合理化: 都市部では車が必要ない時間帯も多いため、必要な時だけ利用することで都市生活が合理化されます。
カーシェアのデメリット
- 利用の制約: 車が他のユーザーに利用されている(貸出ていない)場合、必要なときに車を使えないことがあります。
- 予約の競争: 人気の車や時間帯は予約が競争になることがあり、利用が難しくなることがあります。
- 個人の利用感覚: 他の利用者によって車の状態や清潔さが変わるため、個人の利用感覚との違いに不満を感じることがあるかもしれません。
- 受け渡しの手間:個人間で受け渡しを行うカーシェアの場合、受渡場所への移動、受け渡しの手間、トラブル等が起きると面倒などのリスクがあります。
カーシェアの考慮すべきポイント
- 利用頻度: 車の利用頻度を検討し、カーシェアのコストと利便性を比較します。
- 予約システム: 利用するカーシェアサービスの予約システムや利用制約を確認します。
- 利用エリア: カーシェアサービスの提供エリアを確認し、自分の日常の移動範囲と一致するかどうかを確認します。
アプリ等を利用したカーシェアは、とても便利で使いやすい反面、一般個人間でのやり取りする場合ではトラブル等が起きると対応が面倒になるケースがあります。
ただ、近くにカーシェアの拠点があれば、車の所有に関するお金が大きく節約できることは間違いありません。
車の所有はしたくないが、使いたい時だけ車を使いたい人
自宅に駐車場がない人
おすすめの購入方法は銀行オートローン
この記事でのおすすめの車の購入方法は銀行で借りるオートローンを利用した方法です。
銀行系のオートローンはディーラーローンに比べ2%前後と低金利で借りる事ができます。これにより手持ちの現金を用意するようもなく、支払い総額も大きく増やすこともなく車を購入することができます。
銀行ローンを借りることは比較的難しい場合もありますが、借りるための努力、借りられた後の信用力は間違いなくメリットがあります。オートローンを問題なく毎月しっかり返済をする事ができると、クレジットヒストリーと言われる信用力が上がるため、住宅ローンを借りる際にも有利に働きます。
逆にすでに銀行で住宅ローンを借りている場合は、支払い実績があるため、オートローンの審査も通る可能性も上がることもあるようです。
日本では借金は怖い、したくないと考える人が多いですが、企業側からすると、お金を借りる事ができる人、毎月きちんと返済ができる信用力のある人とみなされ、実は借金をしない人より社会的信用度は高くなります。
※もちろん借りすぎはダメ
また、ローンでの購入はセットで投資信託による利息の受け取りを行うこともおすすめします。
現金で購入はしなかった分をしっかりとインデックス系の投資信託へ投資をすることで、オートローンで支払う金利以上の利息を受け取る事ができます。
全世界株や全米株など株式市場全体に投資を分散することができるインデックス投資信託であれば、リスクも抑えながら6%〜10%の利息を受け取る事ができます。
現在とても人気の「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」はこれまでの平均利回りが8.98%もあります。
仮に借入額の半分(200万借入なら100万円を投資)を使って投資信託へお金を入れておいた場合のシミュレーション結果を共有します。
シミュレーションの条件
借入金利 | 2% |
投資金額 | 借入額の半分 |
投資運用利回り | 5% |
シミュレーション結果
借入金額 | 月々支払額 | 金利負担総額 | 運用利益 | 差額 |
200万円 | 35,055円 | 103,300円 | 133,435円 | +30,135円 |
300万円 | 52,583円 | 154,980円 | 200,152円 | +45,172円 |
400万円 | 70,111円 | 206,660円 | 266,869円 | +60,209円 |
500万円 | 87,638円 | 258,280円 | 333,587円 | +75,307円 |
シミュレーションの結果、車に現金を使わずに、投資信託へ半分のお金を入れておくだけで金利負担分以上の利益を得ることが可能です。今回のシミュレーションはコンサバに5%で計算していますが、実態の利回り8%ではさらにプラスの利益を得ることができます。
ただし、途中でも述べている通り、投資はリスクも伴います。しっかりリスクも理解し、タイミングによっては含み損が発生することもありますが、冷静に耐える事ができる方のみ投資は行ってください。投資は自己責任です。
まとめ
車の購入方法は様々ありますが、それぞれメリット、デメリットがあります。
それぞれをきちんと理解し、どれが今の自分にとって最適なのかを判断し選択しましょう。
○:おすすめ △:まあまあ | 現金一括 | オートローン | 残価設定ローン | サブスク (kintoなど) | カーシェア (Times等) |
貯金は銀行派 | ○ | ||||
株など投資をする人 | ○ | △ | △ | △ | |
1台を長く乗る人 | ○ | ○ | |||
メンテナンスなど手間を少なくしたい人 | ○ | ○ | |||
将来が読めない (転勤、家族の変更など) | △ | ○ | |||
人気車種を購入する人 | ○ | ||||
短い頻度で新しい車に変えたい人 | ○ | △ | △ |